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奥多摩・奈良倉山(1,349m)~鶴寝山~大マテイ山

平成21年(2009)4月29日(水)2名
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番傘が破れたように見える、ユーモラスなヤブレガサ(破れ傘)の芽だし奈良倉山
 
4月29日は水曜日で祭日だ。そこでこの時期の土・休祭日のみ運行しているバスで山へ行くことにする。行き先は奥多摩の奈良倉山~大マテイ山だ。JR上野原駅から鶴峠、小菅の湯行きのバス便が出ている。上野原駅を出るともうバス停前には長い行列が出来ている。バス会社もこれを見越していて2台増発して3台が連なって発車した。ほとんど全員といっていいほど登山者だ。途中、次のバス停のアナウンスが遅れ、しばらく行ってから停車する。運転手のボタンの押し遅れで、これでは降りる人も戻らなくてはならず気の毒だ。こういう場合は事前に運転手に「どこどこで降りますから」と告げておくのも一方法だろう。坪山登山口辺りで降りる人もいたが大半は鶴峠で降りた。目指す山は奈良倉山か三頭山なのだろう。
三頭山(1,531m)が大きく聳える 奈良倉山の新緑
鶴峠は先ほどのバスがウンウン唸りながら登ってきたから標高870mとかなり高い。準備を整えひんやりした空気の中を登りだす。山は新緑で足元にはスミレが咲き始めている。そしてヤブレガサが馬鹿に多い。ここはスミレとヤブレガサの山なのか~。登るにつれ展望がよくなり雲取山や飛竜山も見えてくる。振り返ると三頭山の姿が一際大きく聳えている。
アリが種を運んで分布を広げるカタクリ(片栗) 牧野富太郎博士が比叡山で発見。エイザンスミレ
ちらほらカタクリの咲いているところで、山菜採りをしている男性二人が降りてきた。山菜のコシアブラを採っているようだ。二人は山菜取りに夢中で花などは目に入らないらしい。そばにカタクリが咲いているのに「気がつかなかった」と言っていた。それはそうだ、コシアブラは上のほうに芽を出しているから下のほうには目が向かない。
奈良倉山山頂より富士山 1本の茎から2輪咲くからニリンソウ、鶴寝山
カタクリの咲いているところから、間もなくの登りで奈良倉山頂上に到着した。登山口から1時間ほどの登りであっけない感じだ。奈良倉山は割と広い頂上で富士や三ツ峠、御正体などが見える。ここでも山菜取りの親子とおばあちゃんの4人連れが登ってくるのに出合った。鶴寝山へ向け林道コースを行くと直ぐに林道にでる。タイヤの跡は有るが車はほとんど通らないようだ。周辺のカラマツは芽吹いていて、富士山が見える場所もあった。林道に沿った緩やかな山道を歩いていくと松姫峠にでた。ここは国道139号線で、オートバイでツーリングしている人達が休憩していた。トイレも設置されており、そのそばに牛ノ寝、大菩薩峠登山口がある。鶴寝山へはこの登山口から登っていく。少し登ると雲取山や石尾根の山々がよく見える。明るく気持ちのよい山道でスミレはもとよりフデリンドウ、ヒトリシズカ、ワチガイソウが咲いている。鶴寝山へ行くルートと鶴寝山巻道(ニリンソウ群生地経由)の分岐では、巻道を行くことにする。ニリンソウ群生地では谷のほうにかけて鹿よけのフェンスが張りめぐらされている。ニリンソウの花が鹿に食べられてしまうため、これを防ぐためのフェンスのようだ。ニリンソウは登山道周辺にも少し咲いていたが、まだこれからのようだ。このあたりの木々は緑もうっすらとして芽吹き始めだ。
可憐さを静御前にたとえたヒトリシズカ(一人静) 大ダワより飛竜山(大洞山)2,077m
左からの鶴寝山頂上からのルートと合流して更に進む。山沢入りのヌタのあたりは平らなところで大きな木も生えている。5,6人のグループと、単独者が食事をしている。ここを通り過ぎ少し行った途中の小高いところで昼の休憩にする。簡単な食事をして休憩もそこそこに歩き出す。緩やかで広い尾根を歩いていくと程なくして合流地点に到着した。ここから少し下ると明るく開けた雲取山方面の展望がよい大ダワだ。
大ダワより雲取山(右)と飛竜山(左) 大ダワ(鳥の巣のようなのはヤドリギ)
大ダワからは雲取山から飛竜山にかけての稜線が眺められる。大菩薩から牛の寝通りを歩いてきたという女性の二人連れが到着する。時間が有るので大菩薩方面へ向けて散歩がてらに少し歩いてみる。ミツバツツジが咲き始めているが、展望が開けそうもないので元の大ダワに戻る。
葉が3枚、花びらも3枚のエンレイソウ(延齢草) モロクボ平付近の白樺林
大ダワからは小菅の湯へ向けて高指山を巻いて行く。西面が開け明るい斜面にはヨゴレネコノメやエンレイソウが咲いている。高指山付近の岩場にはイワウチワがちらほらと咲いている。もう時期が遅いのか数が少ない。女性のグループが取り囲んで賑やかに話しながら眺めていた。モロクボ平付近では白樺林があり芽吹き始めていた。ここからは薄暗い樹林の中を下っていく。山道は急な下りもなく比較的歩きやすい。
蛍光色のように輝く、ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)
やがて麓に降り立ち、道標に従い小菅の湯に向かう。小菅の湯には小菅村の物産館もあり、休日ということもあり親子連れで賑わっている。ヤマメの塩焼きなども焼いている。小菅の湯では時間もないので風呂へは入らず、ビールと源流ざるそば(¥730円)なるものを頼んみた。小菅の湯はセルフサービスではなく女性が注文を聞いたり運んだりしてくれた。自治体運営の日帰り湯ではセルフサービスの所が多いがこの点は気に入った。蕎麦は普通のざる蕎麦だが、味のほうもまずまずであった。
奈良倉山~大マテイ山は、奈良倉山への登りが1時間ほどで、後は緩やかな、登り下りで総じて楽な山であった。針葉樹林帯も少なく明るく開けた山に感じた。
コースタイム 歩行5時間
JR上野原駅(バス)~鶴峠9:30→10:30奈良倉山→11:20松姫峠→鶴寝山巻道→12:10分岐→大マテイ山巻道→12:30(休憩)12:45→13:15大ダワ→(散策)→13;50大ダワ→15:25小菅の湯(バス)16:30~JR上野原駅
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