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丹沢・高松山(801m)~松田山~最明寺史跡公園

平成26年(2014)4月9日(水)2名
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高松山入口~高松山~尺里峠~①②間(詳細図)~最明寺史跡公園~新松田駅のGPS軌跡
新松田駅発8時50分山北駅行きのバスに乗車する。バスの運転手の愛想がよく丁寧に感じたのは女性運転士だったからかも知れない。我々ともう一人の登山姿のおじさんも高松山入口で降りる。
キブシ(木五倍子、木付子)
4月上旬ともなれば春真っ盛りで、登るにつれ沢山のスミレが咲き始めている。
高松山はNHK花の百名山(1996年)で紹介されたことがあります。その時の花がキブシです。キブシは薄黄緑の目立たない花ですが、枝一杯に花をぶら下げて我々を迎えてくれました。よくよく見るとそれなりに味わいもあり見応えもあります。昔は中国や東南アジアにお歯黒という歯を黒くする風習がありました。日本では主に既婚女性の化粧法だったわけです。この歯を黒くするのに用いられたのがフシ(五倍子)というヌルデにできた虫こぶです。この虫こぶにはタンニンが多く含まれており染物やお歯黒の材料にされたわけです。キブシの実にはタンニンが含まれており染料としてフシ(五倍子)の代用にされました。そこからこの木がキブシと呼ばれるようになったゆえんです。
ミツバアケビ(三葉木通)
アケビのつるは管が通っていて切って吹くと空気が通るそうです。そこで漢方薬では木通(もくつう)といいます。アケビの茎を輪切りにして乾燥したもので漢方薬の生薬の一つです。アケビの葉は5枚ですが、ミツバアケビは葉が3枚です。そのためミツバアケビの名があります。ミツバアケビは濃い赤紫色の花をつけます。実はアケビの実よりも大きくなり、果肉は甘くておいしい!つるはかご等の民芸品に利用されます。
タチツボスミレ(立坪菫)
日本のスミレは50~60種位あるといわれています。変種や亜種なども含めると何百種類にもなります。その中の山歩きで最も一般的に見られるのがタチツボスミレです。花の色は薄紫色で心形(ハート形)の葉にぎざぎざがある。そのタチツボスミレは今が最盛期なのか、登山道のいたるところに咲いていました。
「山路来てなにやらゆかしすみれ草」 芭蕉 
有名な芭蕉の句ですが、芭蕉が見たのはこのタチツボスミレだといわれています。
まだ時期が早いのかタチツボスミレだけで、他のスミレは全く見かけませんでした。
ビリ堂
ビリ堂のいわれ
ビリ堂(標高678m)は、東方面の観音沢と西方面の太田沢の尾根筋に位置している。このハイキングコースは、昔から花女郎路といわれ山北、ビリ堂、高松山、ヒネゴの頭 遠近沢と割沢の尾根筋を通り八丁集落に通じる路であった。
ここは、夜になると動物達(鹿、猪、穴熊、狸、狐)の運動場となっている。春は、叡山スミレ、みつば、夏はてんなんしょう、オオバギボウシ、秋は、フシグロセンノウ、モミジ傘、つりがねにんじん、冬はカンアオイの野草が咲き乱れる花の山である。
ビリ堂のいわれ由来は、一番びり、最後にある観音堂のためビリ堂といわれる。この馬頭観音は、文化10年(1813年)に尺里の人々が近村の人と協力して村内安全、五穀豊穣を祈って建立した12体の8番目に位置している。
また、歌碑が嘉永4年(1851年)に念仏講中の手によって建立された。歌碑は「朝日はや、びり堂山の観世音、庭の千草も、花となるらん」と刻まれていた。歌碑は、山伏修験者がここの風景を詩ったとされている。
一方。東南方面の天狗沢は、昔からマンガン鉱の宝庫であり、神縄断層の一部となっている。ここのお山は、花の百名山(田中澄江)の一つになっており、美しい山である。高松山の自然を楽しんで、ゆっくり、お歩き下さい。(以上、表示板より)
注:ビリ堂は標高678mと記されていますが実際には600m位のようです。
注:上記の「花の百名山(田中澄江)」となっているのは「NHK花の百名山」の誤りと思われます。
ビリ堂には立水栓(水道の蛇口)が設置されていました。そのそばに説明板もあり、それによるとこの水道は地中深く流れる岩清水を引いたものだそうです。地下水ならば安心して飲めますね。飲用水質検査適合報告書も表示されていました。
マメザクラ(豆桜)
マメザクラは別名フジザクラともいいます。花や木が全体に小型で富士山周辺の山地に生えます。丹沢も富士山周辺なのでこのマメザクラが多いです。以前、西丹沢の檜洞丸(1601m)に5月上旬に登った時このマメザクラが満開でした。
ユリワサビ(百合山葵)
ユリワサビはワサビとは違う種類だと思っていましたが、同じワサビ属でした。花や葉がワサビに似ていますが、ずっと小さくした感じです。ワサビ同様に辛味があり山菜としておひたしなど食用にされるようです。
アブラチャン(油瀝青)
アブラチャンは葉が出るより先に黄色い花をつけます。実や材に油分が多いのでこの名があります。クスノキ科で樹皮は暗褐色で皮目があり枝に芳香がある。同じクスノキ科のダンコウバイとよく似ている。ダンコウバイのほうが花の色がやや黄色みが強いといわれる。しかし個体差があるのでこれだけで見分けるのは難しい。アブラチャンは花と枝の間に柄があるが、ダンコウバイは柄がなく枝から直接花が咲く。この写真からも花と枝の間に柄があるので、アブラチャンであることが見て取れます。
ビリ堂から登っていくと新しい道標が設けられており、右上へ上がっていくようになっていました。直進する従来の道もそのまま残されているようです。新しい道は長く急な階段ですが、整備されているので登りやすいです。頂上直下のえぐれた登山道はそのままです。稜線に達し緩やかに登っていくと丸くて広い高松山の山頂に到着しました。先客の単独登山者が2名休憩していました。箱根は薄っすら見えますが富士山は雲がかかって見えませんでした。
ヤマザクラ(山桜)
花が咲くときに葉も開き始めているのでヤマザクラのようです。日本のサクラの代表で山地に自生します。江戸時代は最も一般的な花見の対象でした。
クロモジ(黒文字)
ダンコウバイやアブラチャンと同じクスノキ科の落葉低木です。ご存知の通り高級な楊枝の材料としても知られています。新芽が伸び出すのと同時に花が咲きます。
分岐(松田山みどりの風自然遊歩道)
高松山からは尺里峠(ヒサリトウゲ)へ下りました。尺里峠からは第六天(標高569.5m)を経て山北町と松田町の町境の尾根を歩いて最明寺史跡公園へ達する予定です。(参考:①~②間のGPS軌跡) 国土地理院の地理院地図にも徒歩道が表示されています。マイナールートではあるがある程度の踏み跡があると予想していました。尺里峠から尾根に登る道を探しましたがはっきりした道は見当たりません。やむを得ず林道を道標「最明寺公園」の方向に進みます。サクラの木を見ながら少し行くと左上に行く防火帯のような道が出てきます。ここを登って行きます。第六天の山頂を確認しようとしましたが樹林の中のようなので右手方向のカヤトの道を歩きます。ここからは踏み跡はほとんどなくGPSや磁石がなければ歩けないようなところでした。途中カヤトの原に40~50年位前の古い車が放置されていました。更にカヤトの原を歩き、斜面を下っていきますと舗装された林道にでました。「最明寺公園」への道標があります。しかしここは道標とは反対の方向に行きます。林道は直ぐなくなりルートのないところを歩きます。斜面を下っていくと谷の方に古い車が何台も放置されているのが見えます。昔はここで仕事をしていたのが時代が流れて住む人が居なくなったのでしょうね。更に斜面を下っていくと林道に降り立ちました。プラスチックの階段が付けられていて降りていきます。道標のある、上の「分岐」の写真の所に着きました。この分岐からは「松田山みどりの風自然遊歩道」となり安心して歩くことができました。しかし、自然遊歩道の名前の割には登りはかなり急で、とても家族向けの道ではありません。自然遊歩道の「遊」の字が余計で「自然歩道」といった方がふさわしい感じがしました。
最明寺公園へ登る途中からの高松山方面の展望
松田山は小田急線新松田駅、JR御殿場線松田駅の北約2kmに位置する東西長さ約3kmの台形状の山です。最高地点は標高568mです。この最高地点は今の地理院地図では表示されていません。以前はゴルフ場の西側の池の近くに568mが表示されていました。 松田山山頂一帯はチェックメイトカントリークラブゴルフ場となっています。南斜面には最明寺史跡公園や西平畑公園(自然館、子どもの館、ふるさと鉄道、松田山ハーブガーデン)などが設けられています。これらの施設を含む全体を松田山と呼んでいる訳です。
松田山みどりの風自然遊歩道(松田町風景さんぽ、より)
新松田駅から徒歩で松田町の奥座敷・寄エリアへ抜けてバスで戻るコースです。松田山にある自然館の脇道を入り、さらに山の奥へ。遊歩道は途中で最明寺林道と合流、最明寺史跡公園には約1時間半で到着します。園内には季節ごとの花を眺められるベンチもあり、桜の名所としても有名です。公園から約2時間で自然がいっぱいの寄の集落に出ます。里山の景色を堪能した後はバスに揺られて新松田駅へ。運動不足気味の方も安心してハイキングを楽しんでいただけます。松田町の手つかずの自然が残る環境に魅了される、小さな旅です。
●コース距離 :約8.4km
●歩行時間  :約4時間(休憩含まず)
●難易度   :一般向け
最明寺史跡公園(神奈川県ホームページより)
最明寺史跡公園は、松田山山腹にある緑地公園です。公園内の松田山山頂の海抜550mには最明寺跡の平坦な敷地があり、寺跡には今日も「大門」「日中坂」「本堂跡」「護摩堂跡」「鐘突堂跡」の地名があります。また、「護摩堂跡」には「善光寺如来」と刻んだ石塔とそのいわれを示した石碑が立っています。
PRポイント
公園内には、みどりの水をたたえる池があり、春には池の回りの桜が満開になり、野鳥のさえずりを聞きながらの散策が楽しめます。また、秋には約10種500株の菊が見頃となります。
沿革・歴史
承久3年(1221年)浄連上人(源延)は、夢のお告げを受けて信州善光寺の一光三尊の仏を模写し金銅の仏像を鋳させ松田山頂に安置しました。年々一堂一宇を建立し盛大となりますが、室町時代の兵乱相続き、そのため衰えました。
文明2年(1470年)鎌倉の八正寺の尊賢親王は最明寺の衰えたのを嘆いて弟子の賢昌に命じて最明寺の復興を計画しましたが、人家に遠く山道険しく人馬ともに困難であるため、寺を金子郷(現:大井町金子)に移転されたといわれています。
交通案内:小田急線「新松田駅」から山北方面行きバス「松田山入口」下車徒歩70分
最明寺公園最上部からの展望と花
松田山みどりの風自然遊歩道はゴルフ場の脇を通っていきます。このあたりが標高550m位です。ゴルフ場を離れて少し下っていきますと最明寺史跡公園の最上部に出てきます。展望もよく満開の花が素晴らしいです。花を見ながらジグザグの道を下っていきます。公園の最上部から70~80mくらい下ったところに池がありました。池の周りのサクラや木々の花が見事です。交通の便が悪いのであまり知られていませんが花の名所と言ってもいい場所です。
最明寺公園にある池周辺の花
最明寺公園からの風景
高松山入口~高松山~尺里峠~最明寺史跡公園~新松田駅のコース断面図
コースタイム 歩行6時間10分 距離17.2km 累積標高1,525m -1,553m
新松田駅(バス)8:50発~高松山入口9:05→10:48ビリ堂→11:23高松山12:00→12:44尺里峠→14:00分岐→14:55最明寺史跡公園15:10→ハーブガーデン→16:38新松田駅
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