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谷川岳馬蹄形縦走・茂倉岳(1,978m)~朝日岳~白毛門

平成22年(2010)7月20日(火)~21日(水)2名
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一ノ倉岳付近の湿地に群生するハクサンコザクラ(白山小桜)
   
     
1日目、7月20日:涼しいうちに行きたいと思っていた谷川岳馬蹄形縦走。梅雨空のため梅雨明けまで伸びてしまった。天気がいいのはいいが、逆に今度は暑さが心配だ。地元駅を始発電車に乗り東京駅から上越新幹線で越後湯沢まで行く。上越線に乗り換えて土合駅で降りる。駅前の道路を右手方向に歩いて行くと谷川岳ロープウエーがある。昨日の海の日は混んでいただろうが今日はガラ空きだ。ロープウエーは速度がゆっくりだが15分ほどで天神平についた。ここからリフトの下側を通って天神尾根に向かう。
天神尾根からみた吾妻耶山(1,341m) 谷川岳トマノ耳から見たオキノ耳(1,977m)
天神尾根からは台形の吾妻耶山が見える。その左方向に見えるのは大峰山のようだ。空いていると思った天神尾根もいつしか行列ができて熊穴沢避難小屋手前で少し渋滞した。ここからは本格的な登りとなり谷川岳方面の展望がいい。谷川岳トマノ耳からは霧が晴れて今回初めてオキノ耳を見ることができた。
オキノ耳から見た万太郎山方面の稜線 オキノ耳から見たトマノ耳
オキノ耳へ向かい富士浅間神社奥ノ院を少し過ぎたあたりで昼の休憩を取る。ほとんどの人がオキノ耳まででここから先に行く人はいない。昨年歩いたオジカ沢ノ頭から万太郎山にかけての稜線が霧の中に見え隠れする。
ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草) 新雪雪崩で2名が遭難した遭難碑
稜線の岩場にはミヤマダイモンジソウが群れをなしてあちこちに咲いている。Bルンゼの頭には遭難碑が岩に付けられていた。昭和28年11月3日、Bルンゼ上部で22歳の2名の銀行員が食事中雪崩にあい遭難したようだ。発見されたのは翌年の6月。もしこの雪崩に遭遇しなかったら、今頃は78歳くらいの好々爺となって生きていたかも。人生どこで何が起こるか分からない。ちなみにルンゼとはドイツ語で「氷や雪で侵食された急峻な岩溝、岩ひだ。山頂や山稜にくいいった深い大きな岩溝」のことをいうようだ。このあたりノゾキともいい、下を覗くのが恐いくらいの急峻な崖となっていて、眼下には一ノ倉沢の雪渓がまだ白く残っているの見える。
一ノ倉岳山頂付近のニッコウキスゲ(日光黄萓)
一ノ倉岳付近に咲くイワイチョウ(岩銀杏) 一ノ倉岳付近に群生するハクサンコザクラ
一ノ倉岳に到着すると今までの岩交じりの道が緩やかな草原状に変わった。そしてニッコウキスゲが鮮やかな黄色の花をつけてあちこちに咲いている。足元にはコバルトブルーのタテヤマリンドウも群れをなして咲いている。更に驚いたのがハクサンコザクラの群生だ。このあたり遅くまで雪が残っていたと見えて今が春の盛りのようだ。イチョウの葉っぱに似た白い花を付けるイワイチョウやピンク色のヒメイワカガミも咲いている。そしてハクサンコザクラの群生があたり一面を赤紫色に染めている。稜線を歩いて行くとハクサンコザクラの群生をあちこちに見ることができた。
ハクサンフウロ(白山風露) 岩礫地に咲くヒメシャジン(姫沙参)
茂倉岳付近より、これから行く武能岳 明日歩く朝日岳と笠ヶ岳(右端のピラミッド状)
谷川岳馬蹄形縦走の最高峰は茂倉岳(1,978m)だが、ここから方向を北に向けて武能岳へと進む。遠目には草原や笹原の緩やかな下りに見えるが石がごろごろしてなかなか歩きづらい。茂倉岳を下って行くと遠く左側対面の谷を滝のような水流が白く落ちているのが見える。(ああ~。あそこへ行って水浴びしたい)。そしてはるか遠くには明日歩く朝日岳や笠ヶ岳の姿も見られる。
稜線に咲く、ひと際色鮮やかなクルマユリ(車百合)
なぜか谷川岳のクルマユリは異常に赤い。北アルプスなど普通に見かけるクルマユリはオレンジ色の濃いような感じだが、ここのは赤に近い朱色だ。
縦走路の先に大源太山(上方左)が見える タカネアオヤギソウ(高嶺青柳草)
武能岳から蓬ヒュッテまでは標高差200mほどの下りとなる。笹原や草原の中の道だが半ば草に覆われているところも多く、ストックで草を掻き分けて足元に注意しながらの歩きとなる。草原の先には蓬ヒュッテの小屋も見えてその奥には大源太山の尖った姿も見える。蓬ヒュッテには少し遅れて到着した。ほとんど水を飲み尽くしていたので水場へ行って水を補給する。水場まで往復30分、ちょっと遠いのが難だが豊富な水量の水場だった。蓬ヒュッテには女性グループ3名、単独の男性1名が先に休んでいた。ビール(冷たくなかった)を頼み、お湯を沸かして簡単な自炊とする。寝具は毛布2枚と夏用シュラフであった。素泊まり3,500円。
上越のマッターホルンといわれる大源太山 歩いてきた谷川岳(左端)からの縦走路
2日目、7月21日:4時前に起きだし支度をする。外に出ると早暁の谷川岳の連なりが黒い姿を見せている。今朝は雲ひとつない天気のようだ。充分明るくなり歩き始める。小屋番さんが小屋の前に掛けられている鐘を3回鳴らして安全祈願をしてくれる。朝露がすごく下半身から足元がびっしょり濡れる。大源太山の尖った姿が目の前だ。
清水峠、手前は白崩避難小屋 赤い葉のゴゼンタチバナ(御前橘)
七ッ小屋山を過ぎ笹原を下っていく。清水峠に近づくと笹の伐採工事をしていて刈り払われた笹が放置されていて歩きづらい。清水峠の白崩避難小屋は小さいが割りときれいになっていた。
雪渓の残る朝日岳頂上(右端) 朝日岳頂上(1,845m)
清水峠からひと山越えていったん緩やかになる。ここからが今日の最大の難関、朝日岳への標高差450mほどの登りとなる。朝日岳が前方に立ちふさがるように聳えている。今日の敵は何と言っても標高差ではなく暑さとの戦いだ。谷川岳はほとんど笹原や草原で稜線には樹木はほとんどない。夏の日差しが容赦なく照りつける。時折稜線を吹き抜ける風に出会うと生き返る気がする。厳しい登りを休み休み登っていくとようやくなだらかになり頂上に近づいてきた。小さな雪田がいくつか残っている。朝日岳のすぐ手前を左へ(宝川温泉方面)少し行くと水場がある。ここで水を飲み、空いているペットボトルにすべて水を入れた。周辺にはイワカガミが咲きワタスゲが白い穂を付けて風に揺れている。
笠ヶ岳の手前、ニッコウキスゲの咲く草原 白毛門より笠ヶ岳(左)と朝日岳(右)
小さな起伏をいくつも越えて暑さと闘いながら笠ヶ岳へ向かう。前方に昨日歩いて来た総ての峰々のパノラマを見ながら歩くことができる。笠ヶ岳の手前でひとしきりニッコウキスゲの多い草原があった。笠ヶ岳の手前のまんまるい山を登っていく。登りきると笠ヶ岳はまだ先であった。笠ヶ岳頂上からの谷川連峰の眺めが素晴らしい。
笠ヶ岳より双耳峰の谷川岳(左)と一ノ倉岳(中央右)と茂倉岳(右)
白毛門からは標高差1000mほどの下りとなる。それも生易しい下りではない。ここの登山道はほとんど真っ直ぐに付けられているので、下りも登りも落差が大きくなかなか手強い。頂上からはしばらく岩交じりの急な下りが連続する。それが終わると木の根っこの急な下りが延々と続く。途中から樹林帯となり日は差さないものの、蒸し風呂のような状態が長く続きなかなか辛い。やっとの思いで下りきると平坦になり沢に出会った。沢でしばらく休憩して衣服を整えてバス停へ向かう。バス停前の川遊びのクラブハウスのようなところでビールを購入。やっと一息つき長かった今日の山行を終えた。
天神平~谷川岳~一ノ倉岳~茂倉岳~武能岳~朝日岳~笠ヶ岳~白毛門のコース断面図
コースタイム 総歩行18時間 総歩行距離23.9km 累積標高+2,168m -2,702m
水分補給、1日目:2L、2日目:3L
1日目歩行7時間30分:土合駅8:48→土合口(ロープウエー)~9:40天神平→11:45避難小屋→12:00谷川岳→12:20オキノ耳12:45→14:00一ノ倉岳→14:33茂倉岳→16:30武能岳→17:23蓬ヒュッテ→水場→蓬ヒュッテ
2日目歩行10時間30分:蓬ヒュッテ4:40→5:52七ッ小屋山6:25→7:20清水峠→水場→10:17朝日岳10:25→11:50笠ヶ岳→12:50白毛門→16:05土合橋手前の沢16:25→16:30土合橋(バス)16:45~水上駅
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