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谷川連峰縦走・谷川岳~仙ノ倉山(2,026m)~平標山

平成21年(2009)7月14日~15日(水)
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万太郎山からエビス大黒ノ頭へ向かう稜線から仙ノ倉山を望む。中央平らな山は苗場山
上越新幹線で越後湯沢まで行き、上越線に乗り換えて土合駅で降りる。土合駅は地下駅と地上駅の高低差が80mほどあり、清水トンネル内の下りホームへ行くまで10分ほど掛かる。日本一のモグラ駅といわれている。
上越線土合(地上)駅前の広場 巌剛新道入口よりマチガ沢を望む
土合駅前の広場を出て、車道を右方向へ行く。途中、谷川岳ロープウエー前を通る。左側に登山指導センターがありここでは冷たい水が飲める。巌剛新道入口前には駐車スペースがあり何台かの車が止まっていた。雪渓が残るマチガ沢の岩場が険しい姿を見せている。巌剛新道はマチガ沢沿いの道で大小の岩がごろごろと累積した歩きにくい道だ。
ショウキラン(鍾馗蘭、ラン科の多年草) 西黒尾根ガレ沢ノ頭から谷川岳への登り
かってこの道を登ったことがあるのだが遥か昔のことで全く覚えていない。こんなに歩きづらい道だったかと思う。第一見晴らし台からはマチガ沢の雪渓が目の前に出てくる。巌剛新道上部には気の抜けない鎖場が2ヶ所もあり、ここも記憶にないところだった。登山道脇に今までに見たこともないピンク色のギンリョウソウに似た花が咲いている。形からしてラン科の花と判る。ショウキランというこの花の名前の由来は烏帽子をかぶった鍾馗の姿に見立てたものだという。西黒尾根ガレ沢ノ頭に到着するとこれから登る西黒尾根の稜線が一望できる。一つ向こうの天神尾根には緩やかなスロープのスキー場が見える。
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草) トマノ耳から見たオキノ耳(1,977m)
ここからは西黒尾根の岩場の登りとなる。要所に黄色い線が引かれていてルートを示している。岩場の所々にニッコウキスゲやピンク色のイブキジャコウソウが咲いている。最後の登りは岩場が終わり砂礫交じりとなり歩きやすくなる。肩の小屋から少しの登りでトマノ耳(1,963m)だ。肩の小屋に戻りペットボトルの水(¥400)とビール(¥500)を購入する。ビールは避難小屋で飲むつもりだ。
ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草) 霧のコバイケイソウ(小梅蕙草)
肩の小屋から緩やかに下り、オジカ沢ノ頭へは標高差100mほど登る。霧が出てきて周囲の山々の展望は開けない。
ハクサンシャクナゲ(白山石楠花) 雪渓の残る谷筋
7月半ばというのにまだ沢筋には雪渓が残る。相当な豪雪地帯なのだろう、そのためこのあたりは2,000mにも満たないのに高山植物が多く見られる。
タテヤマウツボグサ(立山靫草) 大障子ノ頭への登り
小障子ノ頭を越えしばらくの下りで大障子避難小屋に着いた。小屋は波板の鉄製で雪に強い「かまぼこ」型だ。床は木製のすのこが敷かれている。壁に窓はなくドアの下半分が乳白色のプラスチックでここから光が入り室内は少しは明るい。まだ明るい内に食事を取ることにする。といっても手の込んだ物は作らない。レトルトのカレーとパンに飲み物だけだ。この頃から霧と風が強くなり小屋に吹き付ける音が激しい。小さなランタンの蝋燭に火を灯し、薄暗い中でウイスキーを水割りで飲む。明日はどんな天気になるのだろうか。・・・と思いつつシュラフに入る。気温が高いせいかシュラフだけで快適に眠れる。途中目覚めたのは1時頃だっただろうか。雨具を着けて小屋をでたが強風だけで雨は降っていない。小屋に戻り消えたランタンの新しい蝋燭に火をつけて、飲み直しをする。280ミリのペットボトルに入ったウイスキーは全て飲んでしまった。翌朝は5時前に起きる。この強風で水場へ降りるのも大変そうだ。炊事はやめて残りの水1リットル強で今日一日をしのぐことにする。帽子は飛ばされてしまうのでバンダナを着けて外にでる。昨日の天気とは打って変わって強風だが素晴らしい青空が広がっている。
万太郎山頂上付近より歩いてきた縦走路。手前から大障子ノ頭、オジカ沢ノ頭、双耳峰の谷川岳と続く
強風の中を歩き始める。めがねを飛ばされると大変なので、外してポケットへしまう。最初のピークは標高差110mほどの大障子ノ頭だ。周囲の山々が朝日に輝いている。大障子ノ頭からは段差のきつい岩場の下りがあり注意が必要だ。下りきると今度は万太郎山への登りとなる。大きな山容が目の前に聳え頂上付近に道標らしき物が朝日を受けて輝いている。万太郎山へ一歩一歩登ると、万太郎山が一歩一歩近づく。また一歩一歩登ると、一歩一歩近づく。やがて次第に稜線の標識が大きくなり、とうとう稜線に到達した。ここには道標があり土樽方面への分岐点でもある。ここからの展望は素晴らしく谷川岳から歩いてきた山並みが幾重にも重なって見える。
万太郎山頂上付近より富士山(中央奥) 左奥赤城山、右奥子持山、右の台形状は吾妻耶山
標識のある分岐点から万太郎山頂はすぐだ。これから登る仙ノ倉山の隣には平らな山容の苗場山が特徴のある姿を見せている。上州、新潟の山は勿論、富士山、日光方面の山も雲の上に浮かんでいる。
左奥が日光白根山、右奥の尖った山が皇海山 振り返って見た万太郎山
万太郎山からの下りは痩せ尾根が連続する。広い尾根に変わるとニッコウキスゲが咲き始めている。仙ノ倉山と苗場山を見ながらニッコウキスゲの稜線を歩く。
万太郎山からのニッコウキスゲの稜線 オオバギボウシ(大葉擬宝珠)別名ウルイ
万太郎山からは標高差400mくらいを降りる。下りきってから今度はエビス大黒ノ頭へ標高差300mくらいをのぼる。
ミヤマシシウド(深山猪独活) タテヤマリンドウ(立山竜胆)
ジョウシュウキオン(上州黄苑) 山顛(さんてん)の月とキスゲと蝶
エビス大黒ノ頭への登りはきつい。陽射しもあるので長袖で歩く。暑さと今までの登下降で体力を消耗しバテバテの状態だ。花は沢山咲いているが撮影も結構スタミナを消耗するので、立って撮れる花だけ撮影する。
エビス大黒ノ頭からの縦走路、中央奥谷川岳 エビス大黒ノ頭からの仙ノ倉山
やっとの思いでエビス大黒ノ頭に到着した。標識はあるが文字が消えていて確認できない。高さから1,888mのエビス大黒ノ頭と確認できた。
タカネニガナ(高嶺苦菜) ハクサンフウロ(白山風露)
ニッコウキスゲ(日光黄菅) エビス大黒避難小屋
仙ノ倉山(2,026m) 仙ノ倉山から平標山奥の平らな山は苗場山
エビス大黒ノ頭からは岩交じりの道を80mほど下り、仙ノ倉山へは200mほど登る。スタミナ切れで頂上へ着いたときは思わず座り込んでしまった。今までの山歩きで休憩中もあまり座ることはないが、今回だけは違った。ただ座り込んでしばらくは深呼吸するのみだ。仙ノ倉山頂上には4~5人ほどの男女が休憩していたが、ほとんどが隣の平標山から来た人たちだろう。
仙ノ倉山からエビス大黒ノ頭を見る ベニサラサドウダン(紅更紗灯台)
仙ノ倉山から緩やかな山容の平標山を目指す。ここからは木道が多いコースとなる。平標山は花の山として有名だがこの時期ほとんど何も咲いていなかった。ここからは松手山コースを取り元橋へ下る。暑さの中ほとんど水を飲みつくして、元橋駐車場が見えてから最後の一口を飲み干した。アブナイ、アブナイ。
元橋町営駐車場のトイレで顔を洗い、自動販売機でコーラを購入して飲む。まさに生き返った気がする。駐車場の前に国道17号三国街道が通っており、この道を左に10分ほど歩くと平標山登山口バス停があった。
このコースは全体的に山が険しく、山々の起伏が大きく、避難小屋が多くあることからもハードコースであることがうかがえる。体力不足、水不足、天候の急変などに注意して歩きたい。
左・エビス大黒ノ頭、右・仙ノ倉山。万太郎山からニッコウキスゲの咲く稜線を歩く
コースタイム 歩行合計15時間40分(休憩含まず)
1日目(歩行7時間)
上越線土合駅8:55→9:40厳剛新道→10:40第一見晴し→12:05ガレ沢ノ頭→12:40(昼食)13:00→14:00肩の小屋→14:10トマノ耳→14:40肩の小屋→16:00オジカ沢ノ頭→16:50小障子ノ頭→17:08大障子避難小屋
2日目(8時間40分)
大障子避難小屋5:15→7:05万太郎山→10:05エビス大黒ノ頭→11:43仙ノ倉山→12:50平標山→14:00松手山→14:30送電線鉄塔→15:15元橋町営駐車場→15:35平標山登山口バス停(バス)15:50~越後湯沢駅
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